【ヨーデル号】盛岡発、弘前行の高速バスに乗ってみた

公開日:2018/11/26

更新日:2021/01/04

【ヨーデル号】盛岡発、弘前行の高速バスに乗ってみた

「ヨーデル号」は岩手県盛岡と青森県弘前とを結ぶ高速乗合バス。1日の便数や運行時間、運賃を調べてみた。出発場所や到着場所は現地の様子を画像付きで紹介。また実際に乗車した体験結果も紹介する。

1.ヨーデル号とは

ヨーデル号は弘南バス、岩手県交通、岩手県北バスの3社が共同で運行している弘前⇔盛岡を結ぶ都市間バスだ。
予約制ではなく、乗車券を購入しての自由席となる。
ヨーデル号の詳細は以下の通り。

1-1.概要(運行区間、便数、運賃、乗降車地)

■高速バス「ヨーデル号」時刻表

(上り) 弘前⇒盛岡

1.ヨーデル号とは

※画像をクリックすると別タブで拡大して開きます。

(下り)盛岡⇒弘前

1.ヨーデル号とは

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※弘南:弘南バス 県北:岩手県北自動車 県交通:岩手県交通
※平成28年6月16日のダイヤ改正分
※現在新型コロナウイルスの影響で一部運休になっている可能性があります。

8/5現在、1日3往復運行。
青森側は「弘前バスターミナル」「弘前駅前」「東北大鰐」の3か所の発着地があるのに対して、
岩手側は「盛岡駅西口」1か所のみだ。
所要時間は約2時間15分。冬季(12/1-3/31)は到着が5分ほど遅くなり2時間20分。
なお全て昼行便で夜行便は運行していない。

1.ヨーデル号とは

■運賃

大人小人学割
弘前⇔盛岡3,2001,6002,500
東北大鰐⇔盛岡3,0001,5002,400

※平成28年6月16日のダイヤ改正分

東北大鰐⇔盛岡では往復割引がない。そのため片道3,000円を2枚買うより、弘前⇔盛岡の往復乗車券5,700円を購入し途中下車した方が300円お得となる。

1.ヨーデル号とは

※ヨーデル号は乗車券購入制の自由席。空いている好きな席に座って良い方式だ。発売日から2日間有効

1-2.ヨーデル号の特徴と強み

ヨーデル号の強みは何といっても乗り換えなく弘前駅⇔盛岡駅を移動できることだ。

鉄道を使うとなれば盛岡から八戸、青森と乗り継ぎ、弘前まで2回の乗り換えを必要とする。
おまけに片道4時間30分以上、安くても3,750円かかる。

反面、ヨーデル号なら乗り継ぎ不要で大人片道3,000円だ。東北の移動はバスの方が断然便利と言われるゆえんである。
3時間~4時間おきに1本、1日3往復しているのでその時間に合わせれば楽々移動ができる。

1.ヨーデル号とは

※盛岡は東北のハブとなる都市。弘前の他、仙台や久慈、大館にもアクセスできる

2.乗車レポート

2018年2月某日、わたし“はっちょ”は、気温1℃の盛岡にいた。
この日は良く晴れていたとはいえ、例年にない寒波により、福井と始めとした日本海側は雪による被害を
強く受けていた。
ここ岩手県も例外ではなく、市内の道路はいたる所で凍結しており、道旗には雪の塊がうずたかく積まれていた。

そんな中でのバス移動である。
運休もありえると覚悟していたが、幸いこの日は全便運行があるようだ。
簡単な食事を買い込み、さっそく乗り場へ向かった。

2.乗車レポート

※盛岡駅西口ロータリーの様子。25番のりば付近にある待合室は切符の販売所も兼ねている。

ヨーデル号のみならず、盛岡を発着する高速バスの乗り場は西口にある。
大きなロータリーにバス乗り場が6か所ほど。待合室も用意されている。

2.乗車レポート

待合室兼乗車券販売所(有人) 狭い室内は暖を求める乗客でいっぱい

2.乗車レポート

盛岡を発着する全ての高速バスの時刻表が掲示されていた。東京行きの夜行バスの案内も。

2.乗車レポート

「ヨーデル号」の盛岡西口の乗り場は23番から。ここが始発の乗り場となる。

2.乗車レポート

※青森駅行きの「あすなろ号」も、盛岡駅西口23番から乗車するようだ。

11:20発のバスに乗るため、当日切符を買い待つこと10分。
定刻にバスは到着。切符のチェックをされることなく乗客が次々と乗り込んでいく。

2.乗車レポート

※11:20発は弘南バスさんの車両だった。年季の入った車体が、風雪の厳しい東北の環境を物語っている。

今回の乗客ははっちょを含めて7名。2月の閑散期に平日の昼間とならば、こんなものなのだろうか。
このあとすぐ1時間半後には別便がくる。さすが庶民の足というべき頻度。

2.乗車レポート

※車内は4列シート。コンセントやWi-Fiはついていなかった。トイレは最後尾に設置されていた。

盛岡駅を出発したヨーデル号は、盛岡インターに入り東北自動車道を北に向かってひた走る。
八幡平を越え、安比高原を縫うように抜けていく。この日は晴れていて見晴らしも良い。
周囲はすでに一面の銀世界。昼間の高速バスは外の景色を楽しめるのがいい。

2.乗車レポート

※冬の東北道は、富山のアルペンルートと見まがうほどの雪の壁に隔てられていた。

バスは岩手を越え、一路秋田へ。このまま北上して青森県に入るようだ。
しばらく白銀の世界を進んでいくと、やおら車内アナウンスが。
「花輪サービスエリアで少々の休憩をとりますー」と、運転手さんの声がのんびりと響く。
なんだかほっこりするね。自然と表情もゆるむ。
静かに眠っていたお客さんたちがゴソゴソ動き出した。はっちょも気分転換に外に出てみようかな。

2.乗車レポート【ヨーデル号】盛岡発、弘前行の高速バスに乗ってみた

※東北自動車道「花輪サービスエリア」。秋田県鹿角市に位置している。

与えられた時間はわずか5分。ホンマに「少々」やな~。
バスの中にトイレはついているから、主に運転手さんのための休憩なんだろうな。

晴れているとはいえ、例年にない雪害に見舞われた2018年2月。
正午なのに外気は2℃。手袋がないとてがかじかんでしまう。
急いでトイレに駆け込む。

2.乗車レポート

※スキー場ではありません。花輪SAです。

わずかな息抜きを終え、運転手のおっちゃんが乗客の人数を数え始める。
ぴったり7名そろっていたので、出発。
秋田よさらば。

2.乗車レポート

※山間部を抜け、集落が見えてきた。弘前市に入ったようだ。

休憩後さらに40分ほど進むと、青森側3か所の降車地の1番目「東北大鰐」に到着。
前方に座っていた男性が1名降りていった。
高速バスの中には車内の押しボタンで降車の意思を伝えるものもあるが、このバスには呼鈴はなく、
一か所ずつ乗降車地に停車するスタイルだった。
弘南バスの運行でなければボタンがあるのかもしれない。

2.乗車レポート

※半ば雪に埋もれた「東北大鰐」(おおわに)バス停。一般道に降りる階段が見えない・・・。

13:35、2番目の降車地「弘前駅前」には定刻に到着。
ここで2名が下車。終着の弘前バスターミナルはこの先2分の距離にある。
はっちょも弘前駅前で降りる。
降り際に運転手さんに乗車券を求められた。チケットは降りるときだけ必要なのか。

2.乗車レポート

※弘前は弘南バスさんの本社があるおひざ元。市バスも全て弘南バスだった。

こうして高速バス『ヨーデル号』の旅は終わりを告げたのであった。
休憩時間を含め、乗車時間は2時間15分。
都会人には驚異に映った雪道も、東北のバス会社さんはものともせず運行してくれた。
夏に乗車すれば、また違った風景を楽しむことができるだろう。

みちのくのバス路線は、主要都市だけでも青森、弘前、秋田、山形、新庄、仙台、福島、郡山などざっと数えただけでも8か所ある。
それ以外の都市を含めればその路線数たるや20を超える。

東北に住む住民の足として、また観光にビジネスに、ヨーデル号は盛岡と弘前を結ぶ、大切な路線。
みなさんも是非一度乗車してみてもらいたい。

2.乗車レポート

※運賃や時刻表は2018年3月5日現在のもの。最新の情報は運行バス会社のサイトなどで確認していただきたい。

3.Q&A

3-1.バスは定刻で着くの?遅延とかはないの?

窓口で係員に聞いたところによると、大幅な遅延はほぼないようだ。
冬季は雪による走行で遅れるが、それも5分程度で、12/1-3/31の期間はそれを織り込んだダイヤとなっている。
実際に筆者が乗った際も、各乗降車地の時刻に計ったように到着していた。
乗務員さんの時間管理には頭が下がる。
※平成30年2月は例年にない大雪に見舞われ、この時はさすがに運休したようだ。
普通の積雪なら、日常茶飯事として通常通り運行している。

3-2.予約はいりますか?

ヨーデル号は予約制ではない。乗車地で乗車券を購入し、好きな空席に座る。
乗車券は直接乗務員から購入することも可能。ヨーデル号なら「東北大鰐」乗り場以下は有人窓口があるので
窓口で買った方が時間的にも、乗務員さんの負担を軽減してあげられる。

聞いたところ、年末年始や帰省シーズンでなければ満席になることもあまりないようだ。
繁忙期はバス乗り場に並んでいる順に座っていただき、満席になれば次のバスを待つことになる。

3-3.車内設備は?トイレはあるの?

トイレは車内に用意されている。
車両は一般的な11列シート。観光バスをイメージしていただければよい。
筆者が乗車した弘南バス車両ではコンセントやWi-Fiは備わっていなかった。

3-4.バス会社さんへの問い合わせ先

ヨーデル号についての問い合わせは以下の通り。
予約制ではないので電話で乗車券を購入することはできない。
営業時間は各社の規定に準ずる。

3.Q&A

※記載されている内容は平成30年2月28日時点のものです。
最新の情報は運行バス会社さまのWEBサイトなどからご確認ください。

※本記事は、2021/01/04に公開されています。最新の情報とは異なる可能性があります。
※バス車両撮影時には、通行・運行の妨げにならないよう十分に配慮して撮影を行っています。

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