ウィラーの新型バス「Reborn(リボーン)」乗車体験記
公開日:2017/08/30
更新日:2021/01/08
2017年5月下旬、4月から新社会人となった筆者(22歳・男・関西在住)は、研修のため東京を訪れていました。
朝から夜遅くまで研修があり、翌日も名古屋で朝から予定のあった筆者は、高速バスを利用して移動することに。
会社から移動費を出してもらえるとのことで、新型車両として話題となった「リボーン」に乗車することにしました!
学生の頃から、何度も高速バスを利用したことはあったものの、「リボーン」のような高級バスに乗車するのは初めてでした。
そんな筆者が、これまで乗車してきた高速バスと「リボーン」の違いを、体験談を交えてご紹介します!
1.リボーンの基本情報
まず初めに、「リボーン」の基本情報をご紹介します。
- 運行会社:WILLER EXPRESS
- 料金:6,500円~(東京⇔大阪)
なんといっても、通常の高速バスと比べて、最大の特徴として挙げられるのは「座席数の少なさ」ではないでしょうか。
- 座席数:18席
また、一般的な高速バスの座席数はこのような感じになっています。
〇スタンダードタイプ:44席~45席
〇4列のびのびタイプ:36席~41席
〇3列(2席+1席)タイプ:24席~27席
〇3列独立タイプ:25席~29席
こうしてみると、「リボーン」の座席数はわずか18席なので、一般的な高速バスと比べて少ないことが分かります。つまり、1人当たりが使うことのできるスペースが圧倒的に広いのです!
運行会社のWILLER EXPRESSも座席の快適さを追及したと「リボーン」の発表会見で仰っていました。
筆者は3列独立タイプに多くの乗車経験がありますが、「ちょっと狭いな…」と感じていたので、「リボーン」が3列独立タイプと比べてどれほど座った感覚が違うのかを、最も楽しみに乗車しました。
次からは、乗車体験記です。ぜひ、これを読んで「リボーン」のイメージをつかんでください!
2.乗車前
2-1.バス停の紹介
筆者は大崎駅西口バスターミナルから、名古屋南ささしまライブまで乗車しました。
<22:30>大崎駅西口バスターミナル到着
大崎駅の西口から徒歩5分ほどのところに、東京23区内にしては車通りも少ない通り沿いに、白くて明るいバスターミナルが現れます。
心配性な筆者は、出発時間にかなり余裕をもって乗場に到着。この時は、当然まだバスは来ていませんでした。
屋根のついた待合所があり、座るスペースもあります。トイレやコンビニも近くにあり、待つために必要な設備は整っていると言えるでしょう。
「リボーン」の車内にはトイレがありませんので、乗車前に済ませておくことをオススメします。
ただ、造りはいたって簡易的。今増えている、LCCのターミナルを一瞬思い浮かべました。
※大崎駅西口バスターミナルの詳細は、下記記事をチェックしてみてください!
2-2.「リボーン」の到着から、乗車まで
<22:55>
案内係の方から、「まもなく、23時10分発のリボーンが到着します」とのアナウンス。
乗り場まで移動を開始しました。
乗客は、筆者を含めて8人(男性6名・女性2名)でした。年齢層は高め(40代~50代)。筆者が1番若いように思えました。
<23:00>
遂に、「リボーン」が到着!(写真を取り損ねてしまったので、公式写真をお借りしました)
WILLERといえば、「ピンクのバス」というイメージが強いと思いますが、「リボーン」はシルバーを基調としたデザインとなっており、高級感があります。
3.車内設備
<23:05>
いよいよ「リボーン」に乗車!
まず目に飛び込んでくるのが、この階段。
あまり通常の高速バスでは、バスの名前入りの絨毯は見かけないので、「リボーン」の特別感が分かりますね。
車内に足を踏み入れた、第一印象は「通路が狭い…」と、「新車のいい香り!」でした。
通路は、男性だと体を横にしないと通れないような狭さでした。大きめのバッグを持って通ることも難しい狭さだと感じました。
運行開始からまだ3か月ほどしか経っていないためか、新車独特の匂いがまだ残っていました。この匂いが好きな筆者は、思わず深呼吸(分かってくださる方もいるはず…)。
3-1.座席
座席は、このように2席+1席の構造となっています。
特徴は、なんといっても壁に囲まれた半個室のような座席の造りです!このような造りだと、2列シートであっても横の人の目線や気配が気になりにくいですね。
筆者が座ったのは、2列席の最前列窓側でした。
「リボーン」の座席で最もうれしいのは、フルリクライニングができるということ。一般的な高速バスは、後ろの方への配慮もしなければならないため、リクライニングは少し控えめにしかできないので、横になれているという感覚にはなりません。
しかし、「リボーン」は背もたれを倒すのではなく、座席が前に電動でスライドして腰から下を倒すため、横になった感覚を得ることができ、後ろの方を気にせずリクライニングができるのです!
写真の通り、座席の前には足を伸ばすためのスペースもあるため、身長約175㎝の筆者がリクライニングを最大限に倒しても十分に足を伸ばすことができました。ゆりかごの中にいるようなイメージでしょうか。
一般的な3列独立シートであっても、足はフットレストに乗せることしかできず、伸ばせはしないため窮屈に感じます。足を伸ばせるのとそうでないのとではリラックス度合いが違いました。
座席に座った感覚は、「革張りのソファー」です。イメージ的には、マッサージチェアのような感じでした。
筆者の祖父の家に昔あったマッサージチェアを思い出して少し懐かしくなっていました(もちろん、「リボーン」には、マッサージ機能はついていませんが…)
座席の前には、それぞれこのようなテーブル兼、足置き兼荷物置きがあります(筆者は一番前の座席だったため、備え付けの台のような形でしたが、その他の座席には折り畳み式のテーブルがあります)。
1番前の座席だとテーブルを使うためには、前のめりにならなければならなかったため、少し使いにくかったです。
(※突然現れた白くて丸いこの子は、今回筆者が予約した、高速バスの予約サイトである「高速バスドットコム」のマスコットキャラクター「ドットコ」です。筆者の研修に付いてきていました)
1番下には、このように荷物を入れるスペースがあります。筆者のビジネスバッグはスッポリ収納できました。
通常の高速バスであれば、足元に荷物を置くとかなり足元が狭くなってしまうのですが、荷物入れがあることで足元にもゆとりが生まれます。
座席の上には網棚もあるので、もう一つ荷物があっても安心です。
3-2.座席回り
各座席の右側に、座席をリクライニングさせるスイッチがあります。イラスト付きのシンプルで分かりやすいデザインです。
ボタンを押すと、ゆっくりとリクライニングしていきました。ボタンを押す時間でリクライニングの度合いを調整できるので、
ちょうどいい角度を乗車した時に探してみてください!(筆者は、最大限リクライニングし、足置きも最大まで上げました)
各座席の左側には、ドリンクホルダーがあります。500mlのペットボトルも収納可能です。
一般的な高速バスは座席の前にドリンクホルダーがあるため、リクライニングをしていると、飲み物を飲むために1度身体を起こさなければなりません。
しかし、座席の横にあると体を横にしながら飲み物を飲めるので、とても楽でした。
各座席の右側のひじ掛けの部分にコンセント完備!高速バスを選ぶ基準の1つが、コンセントではないでしょうか。
筆者も乗車と同時にスマホを充電。
読書灯も各座席にあります。このライトは手動で動かすこともできるため、囲まれた自分のシート中にライトを持ってくれば、光漏れの心配はありません。
消灯後も使用はできるとのことでした。
4.乗車中
4-1.出発から消灯まで
<23:10>
定刻通り出発!出発後すぐに乗務員の方から車内での注意事項や、休憩についてのアナウンスがありました。
休憩は、海老名・藤枝・刈谷SAでそれぞれ15分を予定しているとのこと。
今回は、高速バスに慣れていない方もいらっしゃるだろうとのことで、普段は行わない、SAでの休憩の際に毎回案内のアナウンスをするとのこと。
「リボーン」の乗客の方は、普段あまり高速バスを使わない方が多いのでしょうか…?
<23:25>
少し灯りが暗くなりました。とはいっても、明るさ的にはスマホを操作したり、読書をするのに支障のある暗さではありません。
筆者も、しばらくスマホでゲームをして過ごしていました。
<23:50>
「まもなく消灯になります」と、アナウンス。
筆者もスマホゲームをやめ、就寝の準備に入りました。
<0:00>
消灯です。消灯はされたものの、完全消灯ではなくうっすらと天井や床の灯りはついている状態です。
少し明るいと感じるのであれば、アメニティとしてアイマスクをもらうことができます。(座席右側のポケットに入っています)
この時間は、筆者が普段寝る時間と同じなので、スムーズに夢の世界へ旅立つことができました(笑)。
4-2.SAでの休憩
1回目の休憩、海老名SAに到着。筆者は一瞬他の乗客の方が乗り降りする音で目が覚めましたが、その後の記憶がありません…。
<3:05>
2回目の休憩、藤枝SA到着。 筆者は目が覚めましたが、ここでも外には出ずすぐに夢の世界へzzz。
<5:15>
3回目の休憩、刈谷SA到着。
やっと筆者は、目が覚めたため外に出ました。
休憩の時には、運転席の部分にこのような出発時間の表示があります。
SAでの休憩で少し心配になることが、休憩から戻るときに「どのバスだっけ…?」と迷うこと。
夜行便の高速バスがSAには数多く停車していますが、「リボーン」は右側に停まっているWILLERの一般的なピンクのバスとは一線を画しているため、「WILLERで、シルバーのバス」ということが分かれば、迷う心配はありません。
ドットコも迷わずに戻ってくることができたようです。笑
<5:30>
刈谷SAを出発。
<6:00>
到着時時間の10分前に明かりが点き、乗務員の方から「まもなく到着です。」とアナウンスがありました。
刈谷SAを出発した後にもうひと眠りしていた筆者は、あわてて荷物をまとめだしました。
5.到着・まとめ
<6:10>
名古屋南ささしまライブに到着。「リボーン」ともお別れです。
他のバスも多く到着していました。
5-1.まとめ
良かった点
- 非日常体験:通常の高速バスとは違い、シートのフルリクライニング(電動)ができることや、珍しいシェル型のシートが体験できたことは、様々な高速バスに乗車してきた筆者も少し興奮を覚えました。
- ぐっすり眠れる!:他の乗客の方の目線が気になりにくいため、睡眠もしっかりととることができました。実は、この「リボーン」に乗る前に筆者は1日で36,748歩も歩いてとても疲れていたのですが、「リボーン」のおかげで疲れをとることができました。
惜しい点
- 通路が狭すぎる:はじめの方でも触れましたが、座席と座席の間の通路が狭いため、後ろの方の座席の方は移動が大変だろうなと思いました。
- トイレがない:値段的に新幹線や飛行機と変わらないので、欲を言えばトイレがついていればいいなと思いました。高速バスはクーラーがかかると、寒いと感じることが多いので、トイレが近くなることもあります。休憩はあるにせよ、数時間に1度なので、車内にトイレがあるのとないのとでは安心感が違います。
5-2.感想
正直、筆者は乗車するまでは「新幹線や飛行機と同じような値段を払う価値はあるのかな…と思っていました。
実際に乗車してみると、新幹線や飛行機よりもしっかりリクライニングできるし、旅先や仕事先でゆっくり時間を使うことのできる点からも、時間を有効活用したい方にとっては有効な交通手段になるのではないでしょうか。
高速バスは疲れる、眠れないと思っていたあなた!是非一度、「ウィラー リボーン」を利用してみてください!
※本記事は、2021/01/08に公開されています。最新の情報とは異なる可能性があります。
※バス車両撮影時には、通行・運行の妨げにならないよう十分に配慮して撮影を行っています。